岡本太郎は著作が好きでいくつか読んでいたが、まとまった数の作品を見るのは初めて。
何かを作ると、どうしても「何かに似ている」ものになりやすいが、唯一無二のものを生み出そうという力を感じる。
数秘に例えると、1番の0から1の創造ではなく、9⇔0⇔1を繰り返している感じ。
(このあたりは、著作「日本の伝統」などを読むとわかりやすい)
伝統を知りつつ、伝統を新しくしていったり、新しいもののなかに普遍的なものを見いだすような体験。
響くというのは心のどこかに種があるということなのだと思うが、そのかたちが未知であるというのが面白いところ。
彫刻作品などを「もし自分がこれを作るとしたら?」という風に逆算して鑑賞してみると、よりすごさを体感できた。
太陽のモチーフの表情にも現れているが、ちょっとした毒が愛嬌になっているのがいい。
私は数秘3番・5番・9番持ちという、関心や行動が多岐に散らばりやすい性質があり、「お仕事何してらっしゃるんですか?」「本職はどれなんですか?」という質問をされるととても答えづらい。
「本職? ばかばかしい」
という言葉に、あれこれ手を出している自分を鑑みて勇気をもらう。
同美術館の企画展「境界を超えて」とあわせて見てみると、岡本太郎は引力が狂っているというか、強い引力で遠くのものを手に取らせたり、こちらの圧を伝えたりが可能であったように思う。
境界の行き来。
ご本人がエネルギッシュなのは周知の事実だが、力強さをモノというかたちとして表現できるのがすごい。
ゴッホの黄色が特徴的なように、岡本太郎の赤青黄もなんだか「らしい」ように思う。
色使いからその人らしさが出る、というのは憧れることのひとつ。
作品に薄い色合いをあまり使っていないように思う。
色の明晰さや濃さが強さを表すのかなという体験もできた。
ミュージアムショップをのぞいたあと、カフェで食事。
椅子が可愛かった。
数秘へのインスピレーション
岡本太郎が縄文文化をとても評価していたというのは有名な話だ。
伝統を大いに感じながら、過去にとらわれないものを作るというのは至難の業である。
(知っていると、無意識下に影響されるので、何とも関連のないものを作るのは難しい)
しかし、岡本太郎は伝統をリスペクトしつつ、まったく新しいものに挑戦したところに唯一無二のエネルギーを感じる。
数秘9番の人も、3番由来の独自性、桁の最後であるという数字ならではの、伝統とリセットをミックスした要素を併せ持つ。
私自身はライフナンバー(ライフワーク)に相当する数字が9番なので、岡本太郎の在り方に大いに刺激を受ける。
また、岡本太郎がかつてフランスに住んでおり、フランス語が堪能だったとは知らなかった。
やはりカルチャーショックから得るものが多い9番らしいなと感じる。
私も、もっと異文化に触れながら、自文化を発見していきたい。